でこぼこよみもの

『デコボコ』だけど相当『平凡』な人たちの『でこぼこ』した話

破格物件、ここにあり! ~自分が住む土地に関心を向ける~

まず、ここ最近の度重なる台風などの災害で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

今ブログを見てくれている方はどうやって自分の家を選びましたか?

今回はそんなことをふと考えて、いろいろな意見を聞いてみたくなったのでアップしました。

 

 

「えっ!そんな安いんですか!? 車買えますよね?」

 

結婚間近で物件を探していた会社の同僚の30代前半の女性に自分の家の値段を告げた時そう言われた。おそらく、普通の中年男性ならプライドを傷つけられたと感じるところなんだろうが、彼女の素っ頓狂で素直な話しっぷりに、自分が以前から感じていたことを突かれて思わずうなずいてしまった。

 

「そうだよな」

 

僕らは団地の1階に住んでいる。築年数も相当経っているが、前のオーナーの方がきれいに住んでいてリフォームもされていたから、自分としてはいい買い物ができたと自負している。

 

「一戸建て?」「駅チカ?」「地名のブランド?」…。

 

通常、家を買う時もっともっといろんなことを考えるが、僕は昔から気になっていたことを価格と同じくらい重視した。それは…、

 

「その家の土地の地形、地質そして歴史」だ。

 

そもそも、家を買う時はそれ相応の覚悟がいる。自分にとってそれは一国一城の主になるといったものではなく、その家が今後どういう災害に遭いそうか?またそうなった時にどういうことが想定されて、どういう対応が必要で、僕らと家族の命を守れるかそれが一番の関心事になっていたからだ。

 

折しも物件購入の数年前に自分の故郷をあの東日本大震災が襲った。

多感な時期の20年間を過ごし、遊び場にしてきた思い入れのある数々の場所をいとも簡単に津波が飲み込んだ。テレビの向こうの今まで見慣れてきた景色の中で、家や車、船がまるでお風呂の中のおもちゃみたいに弄ばれて海に消されていく…。

 

僕は目の前で今まで想像もしたことないような事態をただただ眺めているだけだった。

「今まで何十年もかけて積み上げてきたものがほんの数十分の間に跡形もなく消えていった」

その時、僕の中で何かが弾けたような気がした。

 

昔から地理が好きだったせいもあり、賃貸物件にしか住んだことがないのに「自分が家を建てるなら小高い丘のような台地がいい」と勝手に思い込んでいたが、それにはそれなりの理由があった。

 

平野はおいしい作物ができるが、自分は農業をやるわけではないし、しかも大雨に降られたら洪水がきて川の堤防が決壊したらひとたまりもない。

の近くは景色はいいし、開放的だが魚は好きじゃないし、高潮や津波がきたらこれまたひとたまりもない。

は風光明媚で空気もうまいし、果物や山菜がおいしそうだけど、これまた台風や大雨がきたらがけ崩れや土砂崩れが起きそうだ。

 

僕はある日の社会の授業中にそんなことを考えていた。

 

んじゃ、どこに住めばいいんだ!待てよ…比較的平らで海や大きな川がなくて、山や崖が少ないところ……!

「そうか!台地や小高い丘陵地帯だ!」

ただ、台地や小高い丘陵地帯は旨い食べ物も、風光明媚な景色も、うまい空気も期待できそうになかった。しかし、住む(災害を回避する)には絶好の場所だと考えられた。

 

頭でっかちで臆病な子供が考えそうなことだが、それは今も基本的には変わらない。

 

住まいを選ぶ時、そのことを思い出し実行に移してみた。その結果、今「破格物件」に住んでいるといったわけだ。住んでみて数年経ったが、自分としては特に不満はない。

 

先の震災では東北から関東の海岸線・東京湾内沿岸に至るまで甚大な被害があった。その中には値段を聞くと目が飛び出しそうなエリアや、近年の豪雨災害や台風では昔から被災してしまうエリア、新しく造成した住宅地も多いように思えた。

 

ゼネコンや不動産業者、そしてマスコミを悪く言うつもりはないが、沼地、湿地帯、崖の下、埋め立て地等などその土地の過去の歴史に蓋をして、未だに耳触りのいいイメージや真新しいスイーツでも売るようなラベリングで覆い隠して、その土地を強引に売りさばこうとしてはいないだろうか。

 

これからは価格や交通アクセス、その近辺の環境特性に加えてその土地の大昔からの歴史や今に至るまでの成り立ちを知っておく必要があるのではないか。消費者側もいい加減、目を覚ましたほうがいいのではないだろうか。売る方も「ライフスタイル」を売ることを強調するが、わざわざ不良物件に飛びつかせる「ライフスタイル」はまっぴらごめんだ。 

 

幸い今回の台風19号で台風の直撃を受けたが、事前の準備をしてくれた妻とその同居家族の助けでなんとか幸運にも被災を免れることができた。

 

破格物件(事故物件ではない)ではあるが、基本的なインフラもしっかりしていて、周辺の環境も良く(近所の方々にも恵まれている)、交通アクセスも悪くはない。ただ、築年数が古いのと子供がいる方なら成長に伴い手狭に感じてしまう可能性もあるので、そういった方はこの物件は向いていないかもしれない(その点僕らは平気だが…)。

 

不動産は一生に一度あるかないかの買い物であることが多い。

 

その中で自分が思い描くすべての条件にあてはまることはまずないと思うが、やはり自分が住むその土地自体に積極的に関心を向けるのはいかがだろうか。そういうものまで含めて、今いる家は「破格物件」だとつくづく感じる。

 

 どうか、読者の方々の大切な人の生命と生活の安全が守られる物件選びの参考になっていただけたら幸いです。

 

 

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皆さんの安全を願っています。