でこぼこよみもの

人生、山ばかりでも谷ばかりでもなく…という話

【50代からの認知症講座】やったこと、されたことは忘れるが、気持ちは残っている!~その2~

こんにちは。私は現在、現役のケアマネージャーとして日々自宅で生活している高齢者の方々の相談を受けて、介護サービスなどの調整をするお手伝いをさせていただいております。今回は前回に引き続き認知症の物忘れはどういった質を持つものなのかということをお伝えしつつ、認知症になった本人の悩みや心の葛藤への具体策を提案していきたいと思います。

 

前回のお話 
 

アルツハイマー型認知症の方は…

結論:やったこと、されたこと(体験)は忘れるが、気持ち(感情)は残っている!

 

なぜなら:頭の中で記憶が残っている場所がそもそも違うと考えられているからです。

 
 
では、そういった方に対して具体的にどういった姿勢で関わればよろしいのでしょうか?様々なことが考えられますが、大きく3つ挙げさせていただきます。
 
1、まずは、その状況を受け止める。
親が、パートナーが、はたまた自分が認知症になってしまった。この事実を突きつけられて冷静でいられる人はほとんどいないと思いす。しかし、まずは少しずつででもいいですから、その状況を受け止めていく勇気を持つように心がけるのが大事です。はっきり言って難しいかと思いますが、これができるかできないかで、その後の人生や介護の質まで劇的に変わります。
認知症になってしまったその事実は受け入れがたいものとも思えますが、かといって当事者の方の人生やそのご家族や周りの方の人生がそこで終わったわけではありません。むしろそれがいいきっかけとなって、かかわりが増してお互い助け合うようになり、関係が好転したといったケースもあるくらいです。
わたしもすべての方々がそうなったわけではないことは重々承知していますが、介護の現場でも当事者の周りの方が現実をしっかり受け止めて、それぞれの立場でできることを行っている方々は、大変な思いをしているはずなのに、総じて幸福度が高いようにも見受けられます。普段からそういう方々を支援させていただけるのはケアマネージャー冥利に尽きると私自身は強く思います。
 
2、受容的にかかわるコミュニケーション技術をもつ。
多くの認知症の当事者の方は混乱していて、「なんでこんなことがわからないんだ!」「なんでこんなこともできなくなってしまったんだ!」と日々、自分の中で葛藤しています。しかし、周りの方々に心配をかけまいと、そういった事実を家族や親しい方々にすら隠しながら孤独に戦っています。また、うまく表現をすることができずに暴言や暴力、徘徊といった行動に走ることもあります。そういった場面で日々適切に対応していくのは至難の業です。よく言われることですが、ご家族などの周りの人から見ると異様に映る行動も当事者の方には理由があったりします(多くの場合、その理由さえ表現するのが難しくなっています)。そういった場合は安全を確保しながら、極力、相手の訴える言葉に耳を傾けて、その姿勢や態度に対して受容的にかかわるといいと思います
「いうこと聞いてくれないから困っているんだよ!」といった声も聞こえそうですが、まずは相手を「わけのわからないことを言ったり、やったりする人=注意したり、指導したりする相手」と見るのではなく「一人の人格を持った大切にされるべき存在」と認め、相手の話に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか?前回もお伝えしたように、当事者の方はやったこと、されたことは明確に覚えていなくても、その時感じた感情は意外にも残っているものです。覚えられないからといって怒りながら何度も同じことを伝えられても、当事者の方は余計に混乱し、しまいには落ち込んでしまうか、怒りを覚え反撃してくるかもしれません。家族や周りの支援者で当事者の方とうまくコミュニケーションをしている人がいたら、その方の真似をしてみたり、その方にコツを聞いたりして実践してみるのも手かもしれません。
 
3、介護のプロの力を借りる。公的相談機関を利用して大変さをアピールする。

 1、2の対応がちょっと難しいかなと思われた方は、認知症の程度に関わらず積極的に介護のプロの力を借りることをお勧めします。なぜなら、介護のプロは色々な介護の知識と技術を持っており、適切な方法で介護が出来るため、結果として当事者の方、周りの方双方への介護負担を減らすことが可能になるからです。介護でもっともやってはいけないことの一つが「すべて自分一人で悩み、抱え込むこと」です。介護者や支援者による悲しい虐待や介護殺人はほぼ、すべて一人で悩んで、抱え込むことによって起きています。たとえ、一人暮らしでもまたパートナーと二人っきりでも一人で抱え込むことだけは止めてください。精神的に追い込まれる前に役所や地域包括支援センターなどにまず相談してください。そして窮状を訴えてください。困った時は介護保険などの公的支援に頼りましょう!そのための制度ですから(^_^)

 

ーまとめー

結論:やったこと、されたこと(体験)は忘れるが、気持ち(感情)は残っている!

 

なぜなら:頭の中で記憶が残っている場所がそもそも違うからです。

 

日本は今、急速に高齢化が進み、認知症が見られる方が珍しくはありません。身近な方で、仕事や家事、趣味など今まで出来ていたのに、出来なくなってきたり、また、ふさぎ込む日が増えて元気がなくなったようだと感じることはありませんか?自分に該当するかもしれないと思った方はいらっしゃいますか?

もしいらっしゃれば、勇気を出して、家族や友人など身近な人に助けを求めてみてください。また、すでにそのような家族と一緒に暮らしていたり、離れた場所で住んでいたりしたら、まず、その悩みを役所や地域包括支援センターなどの行政機関や医師、ケアマネージャーなどに相談してください。決して一人で抱え込まないでください。相談をすることが解決の第一歩につながります。また、上記のような気になる症状の方がいらっしゃれば、ぜひ、専門医への受診をおすすめします。

 

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 今日は、前回と2回シリーズで認知症になると「やったこと、されたことは忘れるが、気持ちは残っている!~その2~」と題しての具体的な対応策についてお話させていただきました。

 

次回からも認知症の症状や行動など、具体例を交えてお話ししていきたいと思います。

 

それでは、次回までごきげんよう(^^)/